所長のブログ(89)
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所長推薦の図書のご案内(19)
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執筆者: staff
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今回で、「未来企業」の部は最終章です。 社会の中で知識労働者がどのように存在しているであろうかがテーマです。 知識労働は三種に区分すると、知識労働の意味がわかると言われます。 一番目の特性。仕事の成果が、どれだけすばらしい結果を出したか。『質』が基準となる知識労働です。 たとえば、研究・開発・企画・医師の診断等々がこの範疇です。 二番目は、『質と量』をともに成果とする知識労働です。たとえば、銀行の支店長(弊社の提携銀行の支店長さん・・あなたですよ)や医療機関のコメデイカルの方々が代表です。銀行の支店長さんは、不良債権にならない(質)融資先を一定以上(量)確保しなければならないし、看護職の皆さんは、医師の裁量に基づき病が悪化しないよう(質)する患者を、同時期に並行して多くの患者を多方向に(量)配慮しなければなりません。 三番目は、一定の質が前提条件となり『量』が基準になる知識労働です。 これには、美容院やホテルのベツトメーキング、生命保険の保険金の支払い業務などがあります。 保険金支払いを例にとると、まず支払うことが正しいこと(質)が前提に、処理数(量)が 評価の基準となります。 皆さんの大事な社員の「仕事の質と量」を正確に判断し、秤量し間違いない評価が活性する組織の大要です。 最後に、上田惇生(もの作り大学名誉教授・ドラッカー学会代表幹事)による知識労働者の評価方法を記載し「未来企業」編を終わります。 肉体労働については、「生産性の向上」に焦点を当てますが、知識労働については、「成果」をフォーカスしなければなりません。 成果については、前述の三種のどれに当てはまるかを、知っておく必要があります。 それを知ることで、何に取り組むのか、何を改善すべきか、何を変えるべきか、どのような新しい知識を加えるべきか、がわかってきます。 またそうした方法により、初めて仕事の「生産性」の意味を明らかにすることができる、としている。 いかがでしたか。 今後の掲載ご案内 「マネージメンシ」・・・ドラツカーの経営戦略についてご案内します。よく戦略と言われますがその本質を考えます。 「創造する経営者」・・・ドラッカーの最終章です。経営者は、どのように企業を発展させるべきか。企業が持つ知識を中心とする資源の効果的な使い方を学んでいただきます。 最後に、桜井が多感な大学時代に熱にうなされるように読破した「断絶の時代」を感想として述べてみます。 できれば、年内にドラッカー編を終了したいと思います。 |
執筆者: staff
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ドラッカーは、「企業は人なりとよくいわれるが、本気でそのことを考え実行している経営者は少ない」と断言している。 ドラッカーは、企業と人の連関を仕組みにしている企業がほとんどないことを、リサーチで結論付けているし、彼は多くの著書の根底にその改革を論じ実践させることを使命としているようです。 その理由として彼は、「企業が働く人を必要としている以上に、人が働く場としての企業を必要としているという前世紀的な発想(経営者のエゴイスト的発想)があること」を指摘しています。 藤屋伸二氏によると「これは時代錯誤の危険な認識であり、『知識労働者と企業の関係』は『肉体労働者と企業の関係』とまったく異なるもの」であります。 知識労働者の生産手段は.知識であり頭脳であります。 彼らは、その知識を持って、どこへでも移動することができると指摘しています。(今日の我が国の頭脳流出をドラッカーは40年前に言明している) 優秀な人材については、顧客に対する考え方と同様にマーケティグを行うべきです。彼らは、企業の規模・給料の多寡だけでは魅力を感じないのです。 企業は人なりの仕組み作りの要は、彼らをリクルートし、引き留め一生懸命働いともらうことが必要です。そのために彼らの能力を認め、仕事を評価しやる気にさせる環境を整備しなければなりません。 次回は、「知識労働者」のパターンを見てみましょう。
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執筆者: staff
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知識について、ドラッカー以前では、広辞苑による「あることについて知っていること値。・・・ある行動により認識された成果」と教養的な意味に解釈されていた。 今日では、少なくともドラッカーを知っている人にとつては「専門化された知識」であり広辞苑の第二義『成果』を進化させた『成果を上げる能力』と考えられています。 そこでは、可能な限り高度化された知識を必要とします。 多くの事業では、競争を避けれませんが、その中でより高度な知識を組み合わせることが、利益の要素たる高付加価値の事業を達成するのに必須となリます。 たとえば、一歩進んで非競争の状況を作るには、他社がまねできない特許等の高度な知識があることが競争のアドバンテージになリます。 これが知識の本質をよく言い表しています。 今後の企業は、専門化された知識と、それを使い新らしい知識を生み出す、専門家としての知識労働者(テクノクラート)によつて構成・運営されなければなりません。 専門化された知識の例として、外注の可能性は、コストとモチベーションの視点から考えられますが、専門化された知識は単独では役に立ちません、他の専門知識とコンバージョンされて初めて役に立ちます。 このように、知識労働者をコンバージョンするための組織が必要であります。 その組織には、共通の目的・目標が欠かせません。 なぜなら、何に貢献するための専門知識なのかを明確に提示しなければ組織はパ゛ラバラに動作を繰り返します。 身近な例では、企業の社是・モットー・評価基準等により知識の統合を評価することと同義と考えられます。 『知識の基は、情報とデーター(可能な限りネイテイブなオリジナルなもの)と経験であります。したがって知識の統合には、目的意識を持ち、五感を研ぎ澄まし、学びを繰り返すこと』が重要と考えます。* 次回は、知識労働者と企業の関係を「未来への決断」から考えてみます。乞うご期待。 *学びは、広辞苑によると「すぐれたものを真似ることと」とされています。
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執筆者: staff
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前号に続き「創造する経営者」を題材に『知識』を考えます。 藤谷伸二氏によると、古代から現代まで知識は三回の革新によりドラッカーの知識に到達したといわれています。 孔子ないしソクラテスの時期は、知識は自分自身を知るためか、どのように話すか(社会学的には孔子的自己認識・ソクラテス論理修辞)として使われていました。あくまでも行為・活動に関するものではありませんでした。 1. 産業革命以降、技術が革新され知識に行為がプラスされました。 2. 20世紀に入り「生産革命」が起こり、知識が仕事の研究・分析・エンジニアリングなどの、道具・システム・商品に適用されました。 3. 20世紀中項に既存の知識を組み合わせ、新しい知識を生み出すという「マネジメント革命」をドラッカーが提唱しました。体系的イノベーションといわれる革命でした。 経営資源は、ヒト・モノ・カネと言われますが、この資源は同レベルいあるわけでなく、モノ・カネは知識の所有者のヒトにより生み出されます。プロとしての人間の本性「差別化」を図るために必要な知識は、ヒトが生み出し、ヒトから学び、人によって使われてこそ、成果を上げる能力になります。この点から、知識こそが唯一の経営資源で、まさしく企業は人なりです。 次回は、『知識を仕事に活用する』ことを、桜井感想としてお贈りします。いよいよ皆様の事業に役立つと自己満足してます。乞うご期待です。 |
執筆者: staff
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今回は、「創造する経営者」から企業と社会活動で『知識』という考え方が中核なものなのかを考えてみます。ここでも、ドラッカーの思考の基本「個と全体」のバランスが理解のよりどころです。(前回で個人の活動と世界の状況の絡みを記述した著作を紹介しました) 彼は、「本の中に知識はない・・本の中にあるのは情報である。知識とは情報を成果に変える能力である」と核心触れている。成果を上げるためには、情報を知った上で、それを適時適切に置き換え、かつ実践できる能力が必要である。 つまり、体系的な理論で事業を組み立て、それを仕事に落とし込み実際に活動して成果をあげるために有効なものの塊が『知識』です。あなたが多くの経営資源を持っていても、知識がなければ何も生み出せません。知識こそがすべての経営資源をコンプリートする重要な生産要素なのです。 企業における知識は、顧客・市場・流通・商品に貢献して初めて意義のあるものになります。・・・企業が長い時間をかけて商品を世に出しても顧客の購買力の交換の仲立ちとなる知識がなければ成果はあげれないし、社会へ貢献することもできません。 したがって利益は、その企業が持っている差別化された知識の質量の大きさにいいかえられます。知識は、あなたが知識を得たと勘違いしている手段(情報とかデーター)を成果に導くものとドラッカーは言っています。 次号で「知識の変遷の歴史」「知識を事業に結びつける(知識の事業化)」をドラッカーの「創造する経営者」から見てみます。おたのしみに。
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執筆者: staff
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今回は、ドラッカー著作から「プロフェショナルの条件」の概説をしてみます。 タイトルは「プロフェッショナル」とありますが、彼はテクノクラート(知的社会人)はすべからくプロとしてみています。われわれが考えるプロの範囲から大きくこ拡大し、社会の成長にかかわる人間をプロとしています。 本書は、個人の生き方と働き方をテーマに過去の著作からエッセンスを抜き出したもので、自己啓発賭しての優れた書物となっています。 彼の著作に一貫する社会・世界とビジネスの関係から、本書でも今世界で起きていることの意味、その世界と個人の意味づけを記載している。その中で自己実現するには何をすべきか、成果を挙げ何かに貢献し自ら成長するためにどのように考え、どのような行動をする必要があるのか。優れた意思決定の仕方、セルフコントロールをマネージメントすることと同一に記述している。
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執筆者: staff
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今回は、ドラッカーの多岐にわたる著作のリストの一部を記載します。 なかなか唯我独尊の書評に移れないですが、今しばらくお待ちください。
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執筆者: staff
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ふとしたことから自分の通う高校の野球部のマネージャーになってしまう主人公「みなみ」は、やはり偶然出会ったドラッカーの経営書「マネジメント」を片手に野球部の強化に乗り出した。 その行く手に数々の困難が......しかしみなみと親友の夕紀そして野球部の仲間たちは、ドラッカーの教えをもとに甲子園を目指すこととなる。 「マネジメント」基本と原則 P.F.ドラッカー著 上田惇生編訳 ダイヤモンド社 本文から「経験が私に教えたものは、第一にマネジメントには基本とすべきものと原則とすべきものがある・・・第二にそれらの基本と原則は、それぞれの企業、行政機関、NPOのおかれた国、文化、状況に応じて適用していかなければならない…第三に、もうひとつの、しかもきわめて重要な『しかし』があった。 それは、いかに余儀なく見えようと、いかに風潮になっていようと、基本と原則に反するものは例外なく破たんするという史実であった。
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執筆者: staff
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PeterFerdinandDruckerオーストリア生(1909/11/19~2005/11/11) フランクフルト大卒業後、経済記者、論説委員を務め、世界大戦当時ナチスドイツへの反抗記事を書き、ロンドンへ移住後マーチャントバンクのアナリストを務め著名を博す。その後渡米しニューヨーク大学教授となり著作とコンサルタイングを務める。とくに、GMのマネジメントを研究した「企業とは何にか」は経営技術の主体たる企業の本質を突く近代マネージメントの代表作と成る。彼の、研究分野は政治・行政・経済・経営・哲学・文学・美術・教育・自己啓発と多岐の分野に及び、終末期1900年以降のマネジメントと非営利組織ま台頭を予感させるものであった。アメリカ政府の経済顧問・大統領自由勲章をうけ、親日家であり日本政府より「勳三等瑞宝章」を授与されている。 さて、ドラッカーですが、日本でも多くの企業にかかわり、熱狂的な信者が多く、元経団連上田棹生、元ダイヤモンド社編集長藤島秀記、東洋経済新報社井坂康志、トヨタ自動車豊田章一郎、セブン&アイホールデイング伊藤雅俊、ユニクロ柳井正等600名で「ドラッカー学会」を創立し、各地でその哲学・手法の普及維持を図っている。 さてさて、では今なぜ日本でドラッカーブームなんか。堅い話は今までに説明したが、意外や意外【AKB48】のおかげなのです。AKB48のプロデュースにかかわった「岩崎夏海」の『もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』というとても長い題名の本が大ブレイクしたのです。 略して『もしドラ』で公式サイトありアニメありですごいことになっています。ドラツカーも草葉の陰から喜んでいるかもしれません。 |