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2011/04/15
中期計画の重要性第十講「人事報酬制度と労務管理」10-3
執筆者: staff
人事評価の考え方
2003/02/19
<評価の下し方>
 一般的に主観評価は好ましくないといわれます。確かに情報が少ない中で社長が1
人で決めるような場合ですと、誤った評価を下すことがありますので、こうした場合
は好ましくありません。しかし、管理者や取引先などからたくさんの情報を集め、こ
うした情報を元にして総合的に社長が1人で決めるというのであれば、これは必ずし
も誤った評価とはいえません。中小企業における評価は多くの情報に基づいて社長が
総合的に評価を下すこと。これが重要です。主観評価は必ずしも悪いものではありま
せん。

 また、評価においては絶対評価をしなくてはならないといわれますが、絶対評価は
教育に対する評価、課題をみつける場合の評価など他人と比較をしないケースであれ
ば有効です。ただし、賞与の査定など一定期間の成果に対する評価を下すような場合
は、相対評価で差をつける方がよいでしょう。絶対評価と相対評価は、評価を下す内
容によって使い分けるものだといえます。

<成果評価の基本と評価制度>
 成果評価には認定方式と分析方式があります。
 認定方式は、相対評価で社員の順番をつけて、後からその理由をつける方式です。
説得力のある証拠を示して定期昇給や賞与など経済処遇を行います。また、昇格の場
合も昇格の理由を示します。
 一方、分析方式は様々な評価項目を設定し、個々の項目の合計点で判断するという
もので、企業でよく利用されている方式です。個人の評価や査定には向いており、個
々の社員に気付きを与え育成の指針ともなります。しかしこの評価は全ての項目で総
合的に判断されますので、ある程度まんべんなく仕事をできる社員の評価が高くなり、
一部に秀でている社員の評価が低くなる傾向にあります。よって、経済処遇には説得
性を欠く部分があり向かないといえましょう。
 こうしたことから成果評価には認定方式を用いるのが好ましいといえます。

<人事評価のポイント>
 別稿「成果主義を導入する前に」において、人事評価はフィードバックが大切であ
ると述べました。人事評価は、「会社の意思の伝達と共有」のためのツールであると
いう認識が必要です。

 経営計画を達成する上で、個々の社員に何をやって欲しいか、そのためには何をし
なくてはならないかを伝え、社員にも目的意識を持ってもらいます。そしてその会社
の意思に対する行動、プロセス、成果を評価していきます。賃金を決めるための評価
という考えがあるのであれば、それは変えていかなくてはならないでしょう。

 また、経営計画を達成させるためには、社員に会社の意思を伝える上で、社員に求
められる役割をどのようにしたらできるかを教える(教育する)という、社員の育成
が欠かせません。育成を怠れば、社員の成長は遅れ会社にとっても損失となります。
よって、人事制度には社員育成の視点を持つことも必要になってきます。

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