ハードディスクドライブや携帯電話からハイブリッドカー(HV)のモーターまで幅広く使われているネオジム磁石。最強の永久磁石とも呼ばれるこの磁石は、「新素材革命」と声高に言われた1980年代初めに住友特殊金属(現・日立金属)が開発した。ハイテクを支える日本の発明品の一つだ。
レアアース(希土類)を語る際によく引き合いに出されるネオジム磁石はネオジム、鉄、ホウ素の三つの元素からなる。17種類あるレアアースの一つ、ネオジムを使うことで磁力を高めている。だが高温下では磁力が低下するため、レアアースのジスプロシウムをわずかに添加してそれを防ぐこともある。レアアースが「ハイテクのビタミン」と言われるのはこうした優れた特性があるためだ。
平成22年10月29日
〈日経BPネット〉