中国シャドーバンキングが崩壊する!?
執筆者: staff
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今回は新聞等でよく目にする中国経済の将来性に関し問題となる「シャドーバンキング」について、日経BPの記事を紹介いたします。 ↓ ↓ ↓ 中国で金融不安が増大中国の短期金融市場で6月に金利が急騰し、金融不安から株式相場が大幅に下落。7月に入って持ち直したものの、依然混乱が続いている。翌日物レポ金利は5月下旬には3%台で推移していたが、6月には急上昇し、6月20日には12.45%と、過去最高水準を記録。上海総合株価指数は6月24日、4年ぶりの大幅下落し、年初来安値を更新した。資金繰りへの不安が金融株を中心に反映されたのだ。 中国人民銀行(中央銀行)は25日に緊急声明を発表し、複数の政策手段を駆使して短期金融市場の安定を守ると表明。一時的に資金不足に陥った銀行に対して、必要なら流動性を供給する考えを示した。中国人民銀行が対象を絞って資金供給を行う手段を用いたとの観測が広がったことから7月2日、 翌日物レポ金利が1カ月ぶりの低水準となった。これにより流動性懸念は沈静化に向かっているが、資金繰りが困難となった一部企業などの信用不安は根強く残っている。 麻生副総理兼財務大臣も6月28日の閣議後の会見で、「シャドーバンキングがどれぐらいの規模になるのかその数字はバラバラで誰も分かっていないと思う。大きな不安材料として注視しておかないといけない」と、中国経済への懸念を表明した。 日経ビジネスオンラインでは、混乱の背景には、大きく見て2つの要因があると指摘する。「1つは中国独自の問題だ。中国人民銀行が銀行融資の枠外で膨張してしまった『影の銀行(シャドーバンキング)』を抑制し、金融システムの正常化を図ろうとしていることが直接の原因」で、「もう1つはグローバルな要因だ。5月22日に米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が米量的金融緩和の縮小について言及して以降、投資家の多くがリスク資産から資金を引き揚げ、基軸通貨であるドル建ての資産に戻す動きが強まっている」ことだという。 シャドーバンキングとは何か?そもそも中国で今問題となっている「シャドーバンキング(影の銀行)」とは何か? シャドーバンキングは、銀行を介さずに資金をやり取りする取引のこと。投資顧問会社や信託会社などが発行する「理財商品」と呼ばれる高利回りの証券を販売し、集めた資金を高利で企業に貸し付けて、その利ざやを抜いて利益を上げている。 「高利の資金が向かう先は、そうしたコストでしか資金融通のできない不採算企業や不健全企業、不動産投資資金だ。当然、そこにはかなり大きなリスクが潜んでいる。シャドーバンキングは、通常では融資できないような取引先に対して、個人投資家からファンドの形で資金を集め、それを融資に回してきた」という。「これは米国で問題となった『サブプライムローン』のようなもの」で、「事業そのものが行き詰まった場合、個人投資家が直接損失を受ける」という代物だ。 日経ビジネスオンラインでは別の記事で、「理財商品」について詳しく解説している。それは理財商品の「風険掲示書(リスク説明書)」から読み解いたもので、(1)運用期間はごく短い、(2)元本保証ではないが、なぜか目標利回りがある、(3)運用に縛りはほとんどない、といった特徴があるという。
「点貸成金2316号理財計画」と名付けられた理財商品の運用期間は45日。ほかにも60日から90日くらいのものが多く、運用期間は3カ月以内のものが過半という。元本保証がないのに、利回りが6%などと記載されている。投資先は「格付けAA以上の信用力が高く流動性も備えた債券、コール(銀行間で短期の資金を融通する取引)、信託計画、銀行預金、その他の金融資産」とあるが、「明らかに、その他の金融資産が曲者」というわけだ。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20130703/356645/?ST=business&P=2 |