ドラッカー「マネージメント」経営戦略2
執筆者: staff
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前号でマネージメントの市場ポジショニングを述べました。 これは、すべての分野でトップを継続することは不可能であるが、特定分野でトップを確保することは可能であるという、戦う場所の特定であった。今回は、その場所でどのような商品をどのような流通チャネルに乗せて活動するかという、マネージメントの要諦のトライアングルを述べてみます。 ドラッカーはマネージメントの要素を1.市場2.商品3.流通チャネルに分けて論じている。広い意味での「市場戦略」といわれる分野です。(逆説的に、市場の伸び率以下の成長率だと存在感がなくなるので「最小限の市場地位(伸び率)が必要となる。その時の市場地位は、最大でなく最適を目指す必要がある。) ドラッカーは、メガカンパニーのGEの顧問に就いた時、『強い分野を更に強く』する事を目的に「選択と集中を断行」しました。 では、『強み』をどのように考えていたのでしょう。それは、顧客からみた魅力であり、競争企業からの「差別化」政策であった。具体的には、「他社にない機能・他社より優れた品質・どこよりも安い価格・豊富な品ぞろえ・望まれるアフターサービス・心地よい接客・素早い納品とオーダーへの柔軟性」等々。但し、この列挙した具体案のすべてを実現することは、コストパフーマンス上困難であり、幾つかのことで秀でたものを実施すべきである。 商品についてドラッカーは「主力商品」と「補助商品」に区分し11項目を列挙しトップのマネージメントを下記のように説明を加えています。 1.今日の主力商品 トップの仕事 成長の限界を検討する 2.明日の主力商品 同 次期の主力商品としての位置づけ 3.生産的特殊商品 同 特定分野での差別化の拡大 4.開発商品 同 成果の発現の見通し 5.失敗商品 同 至急の撤退と埋没原価の見切り 6.昨日の特殊商品 同 売上の大きさの幻惑を捨てる 7.手直し商品 同 機能的欠落の発見と投資の判断 8.仮の特殊商品 同 主力商品へのシフトの可否判定 9.非生産的特殊所得品 同 顧客の評価を受け止め至急撤退 10.独善的商品 同 最悪の商品 11.睡眠商品 同 主力商品になりえるか、経営資源 を十分投入可能か 今回で「マネージメント」の概略を述べ終わった。いかがでしたか、会社の経営にある瑕疵を発見できましたでしょうか? |